取り留めなく、思い出した事を書いているので重複しないよう目次を作りました。
ヒットすると「喰った!」というのに何となく違和感を感じる【与太話】
取り留めなく、思い出した事を書いているので重複しないよう目次を作りました。
ヒットすると「喰った!」というのに何となく違和感を感じる【与太話】
過去ではなく、現在の話。
俺は数年ぶりに魚突きをした。
ここ最近は子供が生まれたり、転勤になったりして中々、魚突きは出来ずに釣りばかりになっていた。
子供を磯に隣接したビーチで遊ばせた後、奥さんが子供に昼飯を食わせている間の短時間のみ。
お遊びなので装備も軽くしておいた。
竹ヤス、ロングフィン、スノーケルとマスクだけでウエイトは無し。
ロングフィンは昔のレギュラーだったマレス社のコンコルドは今では足が負けると思ったので、
遊び用のオマー社のイーグルレイを持っていった。
イーグルレイ、悪くないですよ。
柔らかくて水面移動はスイスイ、10m以下の水深で遊ぶならとても良いフィンだと思います。
流れに逆らって泳ぐときはちょっとしんどいけど⋯
まずはヤスを持たずに潜ってみる。
が、
息が全然持たなくなっている。
5m潜っただけで苦しい。
水面に戻ると、スノーケル越しにブヒーブヒーと豚のような息をしてしまい、驚いた魚が逃げていく。
文字通りの海豚である。
シーズン序盤はいつも息が持たないものだが、体重増加(ブタ化)と老化と運動不足が効いている。
こういう時は水底で力を抜いてリラックス。
苦しくない、苦しくない、と念じていると体が慣れてくる。
慣れてきた所で魚を探していると、
おおっ!
いるいる。
竹ヤスを取りに戻って、再出撃する。
ヤスが短いので、精々が岩陰に隠れているカサゴでも突ければ御の字と思い、海底で岩巡りを始める。
音を立てないように岩陰をそっと覗くと、そこそこのサイズのハタが隠れている。
ハタは岩に追い込んでも逃げてしまう事が多いので、絶好のチャンスとばかりに竹ヤスを打ち込むと、バタバタ暴れるのでグイグイと岩に押さえつける。
銛先がハタを貫通した所で、岩から引き出すと、口から魚の尻尾が見えていた。
(家で捌いたらベラだった)
ベラを丸呑みした直後だったので動きが鈍かったんだろう。
不運なハタである。
その後は砂地に移動し、タコでも拾えないかと探していたが、タイムアップとなったのでおしまい。
ハタは煮付けで美味しく頂いた。
大学生の頃、大学の横を流れる川でパンプカをよくやった。
竿は5mの鯉竿(延べ竿)、道糸はナイロン4〜6号で、針を道糸に直結する。
パンプカの最大のコツは、如何にナチュラルに餌を流すかという点なので、長い竿がやりやすい。
短い竿だとどうしても餌が手前に寄ってくるので、鯉が警戒し食わせ辛い事がある。
それから足場も結構重要だ。
多少は強引なやりとりも出来るように太糸を使っているが、1mを越す大物の突っ込みをいなすには、魚が右に走ったら自分も右に移動する、といったように立ち位置を調整しながら魚の勢いを殺すと有利になる。
なので動きが取れない岩場や藪よりは足場が良い方が釣りやすい。
特に大きい鯉は手前に寄せて竿を立てた所からもう一発、突っ込みがくる事があるので注意が必要だ。
(竿を立てた所で突っ込まれると捌ききれずに竿が折れる事がある)
パンの硬さも重要で、固く丸めすぎると食いが悪くなるし、千切っただけでは餌持ちが悪い。
千切ったパンに微妙に手のひらで力を加えて良い加減に調整する。
釣り方は、
ポイントに着き、鯉を見つけたら上流に仕掛けを振り込む。
そして餌を鯉の前まで流していくが、長竿を片手で持ち上げて位置を調整しながら、流れに対して真っ直ぐ自然に餌が流れるように注意する。
特に、餌が手前に寄らないように注意する。
それから、
道糸が弛んで水面に落ちないように注意する。
鯉が水面に垂れた道糸を警戒するからだ。
この二つを同時に行うのが俺のパンプカの最大のコツだ。
道糸が水面に垂れないように付け餌を張らず緩めずにした状態で、自然に付け餌を流すのである。
やってみれば分かるが、片手で鯉竿を操作するので結構腕が疲れる。
都市河川はどうか知らないが、地方の比較的大きな川の鯉は人間に対しての警戒心が非常に高いので、こういう工夫が必要になるのだ。
鯉が付け餌を食べたら、一瞬送り込んで食い込ませてから合わせを入れる。
針掛かりした後は、最初の突っ込みをいなすのがポイント。
竿を立てないように注意し、竿で溜めながら耐える。
竿のみで耐えられない時は、魚が右に動けば自分も竿を右に倒しながら、右へ立ち位置を調整しながら耐えていると、魚が反転するので今度は左へ、、、というようにやりとりをすればジグザグに比較的楽に寄せてくる事ができる。
足場が悪いところでは、魚の動く方向に竿を倒すと竿が伸されることがあるので、
魚が右に行けば竿は逆に左に倒し、魚の頭をこちらに向けさせるようにやりとりをする。
ただ、やりとりは前者の方が圧倒的に簡単だ。足場が良ければ自分が動いた方が良い。
手前に寄せる時は、前後に立ち位置を調整することも状況により重要だ。
足元に寄ってくると必然的に竿の角度が立つので、急に鯉が走り出した時に余裕を持って対応するには、立ち位置を後方に調整して竿のタメを維持しながら寄せるとやりやすい。
大きな鯉ほど水面で空気を吸わせて弱らせるまでは油断禁物。
その後は寄せの動作に合わせ、タモ入れをしてランディングする。
簡単そうに見えて結構奥が深いパンプカ、今ではもうやらないが、あのズッシリとした魚体は大学時代の良い思い出だ。
の続き。
タコを発見したら、ヤスを打ち込んで仕留めるのだが、その前に一旦、息を整えようと浮上してしまうのは厳禁だ。
タコはけっこう賢いので、浮上の間にとっとと巣穴を放棄して逃げてしまう。
そのまま穴に隠れていてくれるなんて思わない事だ。
直ぐに狙いをつけてヤスを打ち込む。
狙う所はタコの黄色い山羊のような目だ。タコは目と目の間に脳があり、ここが急所なので目を狙ってヤスを撃てば脳にダメージを与える事ができる。
上手く一発で決められると、タコの体表がバグを起こしたように様々な色に変わる。
タコの断末魔である。
注意しなければならない事は、ヤスを打ち込んでそのまま手前に引くと、銛先がタコから抜けてしまう事が多いのである。
(銛には返しもあるが、何故だかよく抜ける)
こうなるとヤスの狙いどころが悪ければタコはスミをサッと履いて逃げてしまう。
魚でもタコでも、これは魚突きにとって最悪の結末になる。
ただ獲物に致命傷を与えるだけの行為になるからだ。
これを防止する為には、ヤスを打った後にグリグリを柄を回転させ、タコを穴から(または海底から)引き離す。
ただしこれは結構難しい。文字通り全身筋肉のタコの力は意外の他強いのだ。
なのでこれがダメなら、ヤスを打ち込みっぱなしにしてそのまま浮上してしまう。
海面で息を整えつつ、頃合いを見て再び潜行すると、タコは自力でヤスを身体から引き抜こうと頑張っている。
その状態であれば、タコは自分で銛先にしがみついている状態になっているので、容易くヤスごとタコを引き上げる事ができるのだ。
タコがヤスごと逃亡してしまうと感じる方もいるかもしれないが、タコも逃亡より先にヤスを外そうとするので以外と逃げられないのである。
最も、タコも大きくなるとヤスを突き刺されたまま海底を歩いて逃げようとするものがいる。タコがでかいと感じたら、再潜行するタイミングを早めるのもコツである。
注意すべきは、水深が深かったり、透明度が低かったり、潮の流れが速かったりして、同じ位置に再潜行できない可能性がある時である。
・・・まあ、注意して潜行するしかない。
この技は私が少年時代に自得した技だ。
以来、ほとんどのタコをこの技で仕留めている。
とうの昔に鬼籍に入った俺の母方の祖父は、元素潜り漁師だった。
高校生までは夏休みになると直ぐに祖父母の田舎へ帰省し、目の前の海で遊びつくすのが恒例行事だった。
朝起きたら釣り、帰って朝飯を食ったら昼まで素潜りで魚突き、昼間はテトラから飛び込んで遊び、夕方にはまた釣りをするという最高の暮らし。
海の怖さを知る祖父は、俺と兄が魚突きをしている間中、炎天下のテトラの上でじっと俺達を見守ってくれていた。
素潜りをしながらたまにチラッと祖父を見て、祖父が手をブンブン振っている時は
「帰ってこい」の合図。
その磯は潮が流れ出すと川のような流れになり、あっという間に沖へ流されてしまうからだ。
白いシャツとステテコを履いた真っ白な祖父が、遠くから手を振っている情景を今でも覚えている。
魚突きに使うヤスは市販の短い竹ヤスなので、獲物はアイナメやソイ等の底物とタコが中心で、俺はタコを獲るのが得意だった。
なぜ得意かというと、祖父から
「タコが入る穴」
を教わっていたからだ。
磯の中には岩の影や窪みやら、穴やら、色々な穴があるが、実はタコが入りやすい穴というのは決まっているのである。
言わば天然のタコつぼで、今日、タコを獲ってもまた翌日には別のタコが入っているという具合。
勿論、自然が相手なので毎日百発百中という訳にはいかないが、そういう穴を何か所か知っておけば、どれか一つにはタコが入っているのでボウズはほとんど無いのである。
こういう穴を見つけておけば、タコを獲れる確率は大きく上昇する。
穴の見つけ方
①丸い穴よりは横に長い穴
俺の経験上、横長の穴の方がタコが入りやすいと感じる。岩だけでなくて人工物でもこれは同じで、タイヤが沈んでいるのを見つけたら内側にタコが入っていないかチェックしてみると良い。
②貝やカニの殻が沢山転がっている場所
タコは食べかすを巣穴の周りに巻き散らかす修正があるので、貝殻やカニの殻を見つけた時は周囲をよく探す。タコは意外と砂地にも潜んでいるが、砂漠のような砂地でタコを探す時にはこれらが良い目印になる。
③一度タコを獲った穴
タコが入る穴は決まっている事が多いので、過去にタコを獲った穴は必ず覚えておく。
入る確率は穴によりマチマチだが、いつかは必ずまた入る。
ご存じの通り、タコは体色を変えて周囲と同化しているが、目の色を変える事はできない。
穴を覗き込むと、山羊の目にそっくりな黄色い目がグリン!と動いて俺を見る。
(西洋人がタコを悪魔だと嫌うのは、この目のせいかもしれない。)
ここから何秒かが勝負になる。
子供の頃に、父方の祖父とは湖にもよく釣りに行った。
祖父は釣りを本格的にやっていた訳ではないので、今思えば結構適当な釣りだった。
狙いはいつもマスで、海釣りで使う投げ竿にオモリと針をつけただけのシンプルな仕掛け。
餌は黄色い人口餌(名前忘れた)。
おかっぱりで、エイヤ!と30メートルかそこら投げ込んでアタリを待つだけのシンプルな釣りである。
これが意外とよく釣れた。
祖父と兄と三人で、一日釣って5、6匹は30センチくらいのマスを釣っていたように思う。
爆釣できる訳では無いが、家族分の魚くらいはボチボチ釣れる、そんなイメージだ。
海無し県の大学に進学しても、この釣法は続けていた。
6ft.の短くて安いルアーロッド(3000円くらい)を使って、大学の横の川の深い所(水深2メートルはある)に行って、エイヤ!と仕掛けをぶっこんでニジマスを狙う。
ところが、どうした事か何回挑戦しても全く釣れない。
放流されてから釣り師の罠を逃れ続けてきた個体なので、警戒心も強いのだろう。
というか、ぶっこみという釣法自体、流れの無い湖ならともかく、そこそこ流れの強いそのポイントで行うのはナンセンスだった。
水底に漂う餌は風にはためく旗のように、さぞ不自然な動きをしていた事だろう。
そんな事は当時は分からなかったので、餌をとにかく色々と変えて挑戦を続けた。
件の人口餌、ミミズ、魚肉ソーセージ、サバの切り身。。。
サバの切り身を川釣りで使う奴は私の他にそうそういないと思う。
通りがかりのおっさんには
「兄ちゃん、マスだの鯉だのは兄ちゃんの餌よりもっと良いもん食ってるよ!」
なんて馬鹿にされながらも、俺は頑なにぶっこみスタイルを貫いた。
(学生時代で金が無かった為、他の釣りスタイルは金銭的にきつかった)
仕掛けをぶっこんだら、ルアーロッドの先に鈴をつけておいてテトラの上に寝っ転がってアタリを待つ。
タバコを吸って、携帯をいじって、時たま本を読んで、川沿いを通るおっさんや他の釣り師と会話をする。
そんな釣れない日々を繰り返している内、その時は突如として訪れた。
いつものように仕掛けをぶっこんでグダグダしていると、突如として
リンリンリン!!
と鈴が鳴り響く。
慌てて竿に飛びつき、やりとりを開始すると6ft.の安物ルアーロッドは大きく弧を描き、魚の抵抗が伝わってくる。
慎重にやりとりをしながら釣り上げたのは40センチくらいのニジマス。当時の私にとっては超大物である。
この時の餌は馬鹿にされ続けたサバの切り身。
水流でヒラヒラ舞う様子が、小魚が泳ぐようにニジマスには見えたのかもしれない。
すぐによく遊びに行っていたバイク屋のおじさんに電話をして報告した。
おじさんは営業中にも関わらず店を閉めて、バイクで飛んできてくれた。
アレコレ自慢話をした後は、ニジマスを友人のアパートに持ち込む。
ムニエルにして、酒を飲みながら二人で食べた。
牧歌的な時代であった。
俺が小学生の頃の話だ。
俺は父親に連れられ、漁港に釣りに来ていた。
短いパックロッドに天秤+ハリスの仕掛け。餌は青イソメでヘチへ仕掛けを落とし込んでいく。
大物は釣れないが、メジナやカワハギ、ネンブツダイ、カサゴ、チンチン(チヌっ子)と色々な魚が釣れて、子供には楽しい。
その堤防では、カゴカキダイも良く釣れた。
堤防のヘチからそっと頭を出して海面を眺めると、カゴカキダイが群れているのが見える。
上からでも見える鮮やかな黄色は楽しげで、いつもフラフラと浅い所に遊んでいる。
ここに仕掛けを落とし込むと、早速餌をついばみ始める。
だが、カワハギのような小さな口をしている為、針に掛けるのは案外難しい。
食べたか?と思ったらそっとロッドでアタリを聞いてみる、脈釣りの真似事をして針に掛ける。
美味しいらしいが、俺は食味を覚えていない。
その日は、カゴカキダイが数匹と、木っ端グレが少し釣れた状態だったが、父親のところで見知らぬオヤジがやってきて、何事かを話している。
俺は知り合いなのだと思ってあまり関わらずに釣りをしていたが、後から聞くとそのオヤジは新聞記者でその堤防の釣果を聞きに来たらしい。
翌日の新聞の釣り欄に、俺達の事は載っていた。
「〇〇さん、メジナ数匹」
カゴカキダイの事は書かれていなかった。
この漁港へは今でもたまにサビキ釣りに行く事があるが、不思議とカゴカキダイを見る事は無い。
あの妖精のような魚達はどこへ行ったのだろうか、と思う。
次こそは「美味しい」という噂を確かめようと思っているのに。