取り留めなく、思い出した事を書いているので重複しないよう目次を作りました。
ヒットすると「喰った!」というのに何となく違和感を感じる【与太話】
取り留めなく、思い出した事を書いているので重複しないよう目次を作りました。
ヒットすると「喰った!」というのに何となく違和感を感じる【与太話】
の続き。
タコを発見したら、ヤスを打ち込んで仕留めるのだが、その前に一旦、息を整えようと浮上してしまうのは厳禁だ。
タコはけっこう賢いので、浮上の間にとっとと巣穴を放棄して逃げてしまう。
そのまま穴に隠れていてくれるなんて思わない事だ。
直ぐに狙いをつけてヤスを打ち込む。
狙う所はタコの黄色い山羊のような目だ。タコは目と目の間に脳があり、ここが急所なので目を狙ってヤスを撃てば脳にダメージを与える事ができる。
上手く一発で決められると、タコの体表がバグを起こしたように様々な色に変わる。
タコの断末魔である。
注意しなければならない事は、ヤスを打ち込んでそのまま手前に引くと、銛先がタコから抜けてしまう事が多いのである。
(銛には返しもあるが、何故だかよく抜ける)
こうなるとヤスの狙いどころが悪ければタコはスミをサッと履いて逃げてしまう。
魚でもタコでも、これは魚突きにとって最悪の結末になる。
ただ獲物に致命傷を与えるだけの行為になるからだ。
これを防止する為には、ヤスを打った後にグリグリを柄を回転させ、タコを穴から(または海底から)引き離す。
ただしこれは結構難しい。文字通り全身筋肉のタコの力は意外の他強いのだ。
なのでこれがダメなら、ヤスを打ち込みっぱなしにしてそのまま浮上してしまう。
海面で息を整えつつ、頃合いを見て再び潜行すると、タコは自力でヤスを身体から引き抜こうと頑張っている。
その状態であれば、タコは自分で銛先にしがみついている状態になっているので、容易くヤスごとタコを引き上げる事ができるのだ。
タコがヤスごと逃亡してしまうと感じる方もいるかもしれないが、タコも逃亡より先にヤスを外そうとするので以外と逃げられないのである。
最も、タコも大きくなるとヤスを突き刺されたまま海底を歩いて逃げようとするものがいる。タコがでかいと感じたら、再潜行するタイミングを早めるのもコツである。
注意すべきは、水深が深かったり、透明度が低かったり、潮の流れが速かったりして、同じ位置に再潜行できない可能性がある時である。
・・・まあ、注意して潜行するしかない。
この技は私が少年時代に自得した技だ。
以来、ほとんどのタコをこの技で仕留めている。
とうの昔に鬼籍に入った俺の母方の祖父は、元素潜り漁師だった。
高校生までは夏休みになると直ぐに祖父母の田舎へ帰省し、目の前の海で遊びつくすのが恒例行事だった。
朝起きたら釣り、帰って朝飯を食ったら昼まで素潜りで魚突き、昼間はテトラから飛び込んで遊び、夕方にはまた釣りをするという最高の暮らし。
海の怖さを知る祖父は、俺と兄が魚突きをしている間中、炎天下のテトラの上でじっと俺達を見守ってくれていた。
素潜りをしながらたまにチラッと祖父を見て、祖父が手をブンブン振っている時は
「帰ってこい」の合図。
その磯は潮が流れ出すと川のような流れになり、あっという間に沖へ流されてしまうからだ。
白いシャツとステテコを履いた真っ白な祖父が、遠くから手を振っている情景を今でも覚えている。
魚突きに使うヤスは市販の短い竹ヤスなので、獲物はアイナメやソイ等の底物とタコが中心で、俺はタコを獲るのが得意だった。
なぜ得意かというと、祖父から
「タコが入る穴」
を教わっていたからだ。
磯の中には岩の影や窪みやら、穴やら、色々な穴があるが、実はタコが入りやすい穴というのは決まっているのである。
言わば天然のタコつぼで、今日、タコを獲ってもまた翌日には別のタコが入っているという具合。
勿論、自然が相手なので毎日百発百中という訳にはいかないが、そういう穴を何か所か知っておけば、どれか一つにはタコが入っているのでボウズはほとんど無いのである。
こういう穴を見つけておけば、タコを獲れる確率は大きく上昇する。
穴の見つけ方
①丸い穴よりは横に長い穴
俺の経験上、横長の穴の方がタコが入りやすいと感じる。岩だけでなくて人工物でもこれは同じで、タイヤが沈んでいるのを見つけたら内側にタコが入っていないかチェックしてみると良い。
②貝やカニの殻が沢山転がっている場所
タコは食べかすを巣穴の周りに巻き散らかす修正があるので、貝殻やカニの殻を見つけた時は周囲をよく探す。タコは意外と砂地にも潜んでいるが、砂漠のような砂地でタコを探す時にはこれらが良い目印になる。
③一度タコを獲った穴
タコが入る穴は決まっている事が多いので、過去にタコを獲った穴は必ず覚えておく。
入る確率は穴によりマチマチだが、いつかは必ずまた入る。
ご存じの通り、タコは体色を変えて周囲と同化しているが、目の色を変える事はできない。
穴を覗き込むと、山羊の目にそっくりな黄色い目がグリン!と動いて俺を見る。
(西洋人がタコを悪魔だと嫌うのは、この目のせいかもしれない。)
ここから何秒かが勝負になる。
子供の頃に、父方の祖父とは湖にもよく釣りに行った。
祖父は釣りを本格的にやっていた訳ではないので、今思えば結構適当な釣りだった。
狙いはいつもマスで、海釣りで使う投げ竿にオモリと針をつけただけのシンプルな仕掛け。
餌は黄色い人口餌(名前忘れた)。
おかっぱりで、エイヤ!と30メートルかそこら投げ込んでアタリを待つだけのシンプルな釣りである。
これが意外とよく釣れた。
祖父と兄と三人で、一日釣って5、6匹は30センチくらいのマスを釣っていたように思う。
爆釣できる訳では無いが、家族分の魚くらいはボチボチ釣れる、そんなイメージだ。
海無し県の大学に進学しても、この釣法は続けていた。
6ft.の短くて安いルアーロッド(3000円くらい)を使って、大学の横の川の深い所(水深2メートルはある)に行って、エイヤ!と仕掛けをぶっこんでニジマスを狙う。
ところが、どうした事か何回挑戦しても全く釣れない。
放流されてから釣り師の罠を逃れ続けてきた個体なので、警戒心も強いのだろう。
というか、ぶっこみという釣法自体、流れの無い湖ならともかく、そこそこ流れの強いそのポイントで行うのはナンセンスだった。
水底に漂う餌は風にはためく旗のように、さぞ不自然な動きをしていた事だろう。
そんな事は当時は分からなかったので、餌をとにかく色々と変えて挑戦を続けた。
件の人口餌、ミミズ、魚肉ソーセージ、サバの切り身。。。
サバの切り身を川釣りで使う奴は私の他にそうそういないと思う。
通りがかりのおっさんには
「兄ちゃん、マスだの鯉だのは兄ちゃんの餌よりもっと良いもん食ってるよ!」
なんて馬鹿にされながらも、俺は頑なにぶっこみスタイルを貫いた。
(学生時代で金が無かった為、他の釣りスタイルは金銭的にきつかった)
仕掛けをぶっこんだら、ルアーロッドの先に鈴をつけておいてテトラの上に寝っ転がってアタリを待つ。
タバコを吸って、携帯をいじって、時たま本を読んで、川沿いを通るおっさんや他の釣り師と会話をする。
そんな釣れない日々を繰り返している内、その時は突如として訪れた。
いつものように仕掛けをぶっこんでグダグダしていると、突如として
リンリンリン!!
と鈴が鳴り響く。
慌てて竿に飛びつき、やりとりを開始すると6ft.の安物ルアーロッドは大きく弧を描き、魚の抵抗が伝わってくる。
慎重にやりとりをしながら釣り上げたのは40センチくらいのニジマス。当時の私にとっては超大物である。
この時の餌は馬鹿にされ続けたサバの切り身。
水流でヒラヒラ舞う様子が、小魚が泳ぐようにニジマスには見えたのかもしれない。
すぐによく遊びに行っていたバイク屋のおじさんに電話をして報告した。
おじさんは営業中にも関わらず店を閉めて、バイクで飛んできてくれた。
アレコレ自慢話をした後は、ニジマスを友人のアパートに持ち込む。
ムニエルにして、酒を飲みながら二人で食べた。
牧歌的な時代であった。
俺が小学生の頃の話だ。
俺は父親に連れられ、漁港に釣りに来ていた。
短いパックロッドに天秤+ハリスの仕掛け。餌は青イソメでヘチへ仕掛けを落とし込んでいく。
大物は釣れないが、メジナやカワハギ、ネンブツダイ、カサゴ、チンチン(チヌっ子)と色々な魚が釣れて、子供には楽しい。
その堤防では、カゴカキダイも良く釣れた。
堤防のヘチからそっと頭を出して海面を眺めると、カゴカキダイが群れているのが見える。
上からでも見える鮮やかな黄色は楽しげで、いつもフラフラと浅い所に遊んでいる。
ここに仕掛けを落とし込むと、早速餌をついばみ始める。
だが、カワハギのような小さな口をしている為、針に掛けるのは案外難しい。
食べたか?と思ったらそっとロッドでアタリを聞いてみる、脈釣りの真似事をして針に掛ける。
美味しいらしいが、俺は食味を覚えていない。
その日は、カゴカキダイが数匹と、木っ端グレが少し釣れた状態だったが、父親のところで見知らぬオヤジがやってきて、何事かを話している。
俺は知り合いなのだと思ってあまり関わらずに釣りをしていたが、後から聞くとそのオヤジは新聞記者でその堤防の釣果を聞きに来たらしい。
翌日の新聞の釣り欄に、俺達の事は載っていた。
「〇〇さん、メジナ数匹」
カゴカキダイの事は書かれていなかった。
この漁港へは今でもたまにサビキ釣りに行く事があるが、不思議とカゴカキダイを見る事は無い。
あの妖精のような魚達はどこへ行ったのだろうか、と思う。
次こそは「美味しい」という噂を確かめようと思っているのに。
俺が中学生の頃の話だ。
俺は兄と妹、それから東京から来た従兄弟と一緒に、隣町のお祭りへ向かった。
漁協がやっている、ニジマスの掴み取り大会があるのだ。
川の浅瀬に石で覆われたプールが作られ、そこにニジマスが沢山離されている。
何匹でも取り放題、そんな良い時代があったのだ。
プールの周りには参加者がズラッと並び、うずうずしながら開始の合図を待っている。
俺達もプールの周りに陣取り、ニジマスたちを観察していた。
大体30センチくらいのニジマスが多いが、3匹だけ50センチを超える大物が混じっている。
俺達の狙いは決まった。
兄が1匹、俺が1匹、まだ小学生だった妹と従兄弟で1匹。
どれか1匹でも大物が取れれば良いと考えての作戦で、俺達はそれぞれ割り当てた獲物に飛び掛かるべくじっと息を凝らしている。
開始の合図と共に、俺と兄はそれぞれの獲物の所へダッシュ。
川なんぞお祭りでしか入らないような連中とは違い、俺達は年中、川だの海だの森だのを駆けずり回っているのだ。
おずおずと川に入る参加者を尻目に、たちまち俺も兄も目当てのニジマスに飛びつき、大物をゲットした。
上出来の結果に顔を綻ばせ、妹と従兄弟チームの行方を目で探す。
妹は開始早々転んで脱落したようだ。
涙目になって川に座り込んでいる。
従兄弟はどうだ?
探すと、奴もプールの中に尻もちをついて座り込んでいた。
しかし、その腕には一抱えもある程の丸太のようなニジマスが抱えられている。
破顔一笑、だが俺達は忙しい。
ビニールに大物のニジマスをぶち込むと、手あたり次第に普通サイズのニジマスを獲り始める。ニジマスもパニックになっていて、面白い程手掴みで獲れた。
結局、俺達が獲ったニジマスは30匹以上に上った。
獲ったニジマスは全て河原で鱗を取って、ワタを出し家に持ち帰った。
折しも、福島から祖父母が遊びに来ていたタイミングで、ニジマスの塩焼きを振る舞う事ができた。
夏の日の、良い思い出である。
専用の網に餌を括り付けて沈めておけば、勝手に蟹が引っ掛かっている。
これは便利な釣り方だが、沈めて適当に引き上げるだけで釣趣に欠ける。
俺の蟹釣りはちょっと違い、手返しも良く釣って楽しいやり方だ。
※ただしポイントは選ぶ
友人や恋人、子供とやったら楽しいと思うので、気になる人は試してみて欲しい。
準備するもの
・短めの竿とリール
・オモリ(ナスでも中通しでも何でも良い)
・針(丸セイゴ12~14号がおススメ)
・強力なライト(災害用がおススメだ)
・タモ網(100均のもので良い)
・身餌(サンマ、サバ、イカ等何でも良いが、イワシは身が柔らかすぎるので避けるが吉)
釣り方
①二人一組で、夜の漁港or磯場に行く。一人は竿役、もう一人はライトとタモ役である。
②一人がライトとタモを持ち、岩に張り付いているワタリガニを探す。
③ワタリガニを発見したら、もう一人がワタリガニの目の前にそっと餌を落とす。
④ワタリガニが餌を掴むのを待つ
⑤竿でじわじわとワタリガニを引き上げる。ワタリガニは踏ん張るので、少しずつ力を加える。
※ここが一番のポイントだ。性急すぎると蟹が驚いて餌を離してしまうし、時間をかけすぎると餌を千切られ取られてしまう。
⑥上手くワタリガニを浮かせられたら、水面まで引き上げる。一度浮けば水中から出るまでカニは餌を離さない。
※水面から出してしまうと蟹は驚いて餌を離してしまうので、必ず水面下で網を入れる
⑦水面でもう一人がタモを入れ、ワタリガニを掬う。
これは俺が友人と釣りに行った際、カニが沢山いるポイントを見つけ、カニ網無しで何とかカニを獲ろうとして始めたやり方だ。
餌を掴んだカニを騙し騙し、ジワリジワリと持ち上げるのが中々ゲーム性があってめちゃくちゃ面白い。
まるでクレーンゲームで遊んでいるような気持ちになり、大の大人たちがカニが揚がる度にギャーとウオーとか言ってしまう。
夜釣りの人が多いポイントで海面にライトを当てるのはトラブルの元なので、その点はご注意を。