俺にはイカ釣りの師匠がいる。
エギング、ヤエンはこの師匠に教えて貰ったのだ。
ある年のGWに、俺は師匠をエギングに誘った。
師匠は、
「GWはどこも激混みで釣りにならないから、サーフエギングをしよう」
と提案。
俺も了承し、二人で夜の浜へと向かったのだ。
取り合えず春のサーフエギングの鉄板のパターンとして、
スラックジャーク3回+15秒ボトムステイを教えてもらい、早速釣りを開始した。
だがここで問題が発覚。
俺はシーバスとエギングのラインを兼用していたので、メインラインがPE1.0号とエギングにはやや太い。
また俺は、この日に限って3号のエギしか持ってこないという大ポカをやらかしていた。
頑張って投げても30mくらいしかエギが飛ばず、おれはこの時点でやる気をかなり喪失していた。
実はサーフエギングは手前のブレイクが一番のポイントなので、この距離でも何とか釣りにはなるのだが、サーフ≒大遠投の意識しか無かった当時の俺にとっては、これは死刑宣告にも等しいものだった。
飛距離30メートルでは、テンションフォールを多用するサーフでは2回か3回しかシャクる事が出来ない。
それでイカが釣れるんかいな、と思った俺は勝手に作戦を変更しボトムズル引きを開始した。
キャストしてエギを着底させたら、3回スラックジャークを入れ、後はひたすらロッドをサビき、ボトムを曳いてくる。
1投したら半歩横へ動く。
このやけくそ戦法を繰り返していると、ロッドをサビいた際に根掛かりのような重さをロッドに感じた。
合わせを入れるとビニール袋が引っ掛かったような重さを感じ、釣り上げたのはタコ。
この後、同じような作戦でタコを7、8杯追加し、イカは釣れなかったが満足して釣行を終えた。
師匠も途中からタコ狙いに切り替えたが、2、3杯で俺よりは釣れなかった。
恐らく、この時期のタコにとってはエギ3.5号より3号の方が捕食しやすかったからでないかと思う。
災い転じて福となす。
エギのシルエットは大事である事を感じた釣行であった。
なお、師匠にエギングで釣り勝ったのは後にも先にもこの日だけである。
(外道なので釣り勝ったというのかは微妙なところだが・・・)