竿と銛を担いで歩いた日々

1980年代生まれの底辺系釣りバカが、釣りと魚突きの思い出を綴るブログ。思い出した事を書きなぐっています。

タコを突く②【魚突き】

タコを突く①【魚突き】

の続き。

 

タコを発見したら、ヤスを打ち込んで仕留めるのだが、その前に一旦、息を整えようと浮上してしまうのは厳禁だ。

 

タコはけっこう賢いので、浮上の間にとっとと巣穴を放棄して逃げてしまう。

そのまま穴に隠れていてくれるなんて思わない事だ。

 

直ぐに狙いをつけてヤスを打ち込む。

 

狙う所はタコの黄色い山羊のような目だ。タコは目と目の間に脳があり、ここが急所なので目を狙ってヤスを撃てば脳にダメージを与える事ができる。

上手く一発で決められると、タコの体表がバグを起こしたように様々な色に変わる。

タコの断末魔である。

 

注意しなければならない事は、ヤスを打ち込んでそのまま手前に引くと、銛先がタコから抜けてしまう事が多いのである。

(銛には返しもあるが、何故だかよく抜ける)

 

こうなるとヤスの狙いどころが悪ければタコはスミをサッと履いて逃げてしまう。

魚でもタコでも、これは魚突きにとって最悪の結末になる。

ただ獲物に致命傷を与えるだけの行為になるからだ。

 

これを防止する為には、ヤスを打った後にグリグリを柄を回転させ、タコを穴から(または海底から)引き離す。

ただしこれは結構難しい。文字通り全身筋肉のタコの力は意外の他強いのだ。

 

なのでこれがダメなら、ヤスを打ち込みっぱなしにしてそのまま浮上してしまう。

 

海面で息を整えつつ、頃合いを見て再び潜行すると、タコは自力でヤスを身体から引き抜こうと頑張っている。

その状態であれば、タコは自分で銛先にしがみついている状態になっているので、容易くヤスごとタコを引き上げる事ができるのだ。

 

タコがヤスごと逃亡してしまうと感じる方もいるかもしれないが、タコも逃亡より先にヤスを外そうとするので以外と逃げられないのである。

 

最も、タコも大きくなるとヤスを突き刺されたまま海底を歩いて逃げようとするものがいる。タコがでかいと感じたら、再潜行するタイミングを早めるのもコツである。

 

注意すべきは、水深が深かったり、透明度が低かったり、潮の流れが速かったりして、同じ位置に再潜行できない可能性がある時である。

・・・まあ、注意して潜行するしかない。

 

この技は私が少年時代に自得した技だ。

以来、ほとんどのタコをこの技で仕留めている。

 

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