竿と銛を担いで歩いた日々

1980年代生まれの底辺系釣りバカが、釣りと魚突きの思い出を綴るブログ。思い出した事を書きなぐっています。

素潜りで耳をぶっ壊した話【素潜り】

素潜りやスキューバダイビングの重要テクニックに、耳抜きという奴がある。

 

水中に潜っていって水圧が掛かると、鼓膜が圧迫されていく。

そのまま潜行を続けると、圧力が増し痛みがひどくなっていき、最後は鼓膜が破けてしまう。

 

鼓膜の内側(内耳)は喉の奥と耳管という細い管でつながっている為、鼻をかむ様に口腔内に圧力を掛け、水圧と体の中の圧力のバランスをとってやる事で耳を保護できる。

これが耳抜き。

 

普通は鼻をつまみ、いきんでみたり舌を持ち上げて口腔内の圧力を高める訳だが、まれにそんな事をしなくても顎をちょっと動かしたり、耳の後ろに力を込めるだけで耳が抜ける奴がいる。

これはいちいち鼻をつまんだりする手間が無いので、結構便利な体質だ。

 

そして俺も、この体質だった。

 

ある日、俺は仲間と素潜りに出かけた。

深い所でも10mちょっとしかないポイントだ。

 

仲間が先に潜っていくのを、俺は少し後から追いかける。

 

だがこの日、俺は耳に違和感を感じていた。

 

いつもはフリーハンドでチョイチョイと抜ける耳が、片側だけ上手く抜けないのである。

俺は仕方なく、鼻をつまんでいきもうとしたが、マスク(水中眼鏡)を新調していた事もあり、上手く鼻が摘まめない。

 

中層でどうしようかと迷っている俺を、海底から仲間が不思議そうに見上げている。

 

そんな事を何回か繰り返した後、俺は思い切って潜行を続ける事にした。

これは愚かな決断だった。

 

耳は上手く抜けないといっても、少しずつは抜けていく感じがする。

もう3メートル程で海底に着くという時、耳がどうしても抜けなくなった。

ここで引き返せば良かったのだが、イライラが募っていた俺はそのまま潜行した。

 

途端に、強い痛みを耳に感じる。

 

あ、これは不味いと思い浮上すると、片耳に違和感を感じた。

聞こえないという事は無いが、海上に出ても水の中に潜っているような感じが続いているのである。

 

これは家に帰っても続いていた。

俺の片耳は潜水性中耳炎に掛かっており、無理な潜行によって耳管に炎症が起きていたようだ。

 

これを治すのにも大変苦労したが、俺の片耳はそれ以来、フリーハンドでは耳抜きが出来なくなってしまった。

 

反省点は沢山ある。

無理な潜行をした事、自分の能力を過信した事、手を使う耳抜きの方法を真面目に習得していなかった事etc.

 

素潜り、ダイビングをやる人は、耳はいとも容易くぶっ壊れる事を理解し、安全に海を楽しんでもらいたいと思う。

 

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エギングの師匠に唯一勝った日【エギング?】

俺にはイカ釣りの師匠がいる。

エギング、ヤエンはこの師匠に教えて貰ったのだ。

 

ある年のGWに、俺は師匠をエギングに誘った。

 

師匠は、

「GWはどこも激混みで釣りにならないから、サーフエギングをしよう」

と提案。

 

俺も了承し、二人で夜の浜へと向かったのだ。

 

取り合えず春のサーフエギングの鉄板のパターンとして、

スラックジャーク3回+15秒ボトムステイを教えてもらい、早速釣りを開始した。

 

だがここで問題が発覚。

俺はシーバスとエギングのラインを兼用していたので、メインラインがPE1.0号とエギングにはやや太い。

また俺は、この日に限って3号のエギしか持ってこないという大ポカをやらかしていた。

 

頑張って投げても30mくらいしかエギが飛ばず、おれはこの時点でやる気をかなり喪失していた。

 

実はサーフエギングは手前のブレイクが一番のポイントなので、この距離でも何とか釣りにはなるのだが、サーフ≒大遠投の意識しか無かった当時の俺にとっては、これは死刑宣告にも等しいものだった。

 

飛距離30メートルでは、テンションフォールを多用するサーフでは2回か3回しかシャクる事が出来ない。

それでイカが釣れるんかいな、と思った俺は勝手に作戦を変更しボトムズル引きを開始した。

 

キャストしてエギを着底させたら、3回スラックジャークを入れ、後はひたすらロッドをサビき、ボトムを曳いてくる。

 

1投したら半歩横へ動く。

 

このやけくそ戦法を繰り返していると、ロッドをサビいた際に根掛かりのような重さをロッドに感じた。

 

合わせを入れるとビニール袋が引っ掛かったような重さを感じ、釣り上げたのはタコ。

 

この後、同じような作戦でタコを7、8杯追加し、イカは釣れなかったが満足して釣行を終えた。

 

師匠も途中からタコ狙いに切り替えたが、2、3杯で俺よりは釣れなかった。

 

恐らく、この時期のタコにとってはエギ3.5号より3号の方が捕食しやすかったからでないかと思う。

災い転じて福となす。

エギのシルエットは大事である事を感じた釣行であった。

 

なお、師匠にエギングで釣り勝ったのは後にも先にもこの日だけである。

(外道なので釣り勝ったというのかは微妙なところだが・・・)

 

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デフレ戦隊「ボンバーズ」【エギング】

俺のエギングはサーフエギングが殆どだ。

 

凪の晩に、竿を担いでサーフに立つ。

3.5号のエギをぶん投げ、餌を求めてサーフに回遊してくるアオリイカを狙う。

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サーフエギングはその特性上、どうしても回収時には足元のゴロタや砂でエギを擦ってしまい、エギの寿命が短くなる。

そんな釣りなので、1個1200円もするような高いエギは底辺アングラーの俺には手が届かない。

 

その為、俺は1個300円以下で買える、釣り具のポイントの「エギボンバー」を愛用している。

 

 

カンナが丸いとか、羽の向きがあからさまにおかしいとか、なんならちょっと布が破けてるとか、それなりの品質の為、買う前にパッケージの外から良く観察して不具合が無さそうなものを選ぶ。

 

家でパッケージを開けたら、腹の布のつなぎ目に瞬間接着剤を塗り込み、布を補強。

これで腹から布がべろーんとめくれる不具合は軽減できる。

 

次は、シンカーの根本にも瞬間接着剤を塗り込む。これで投げて回収してみるとシンカーが無くなっている不具合を軽減。

 

最後に、頭(ノーズ)の周りにも瞬間接着剤を塗り込む。

サーフエギングでは駆け上がりにエギが頭から突っ込んだり、足元で擦れたりエギの頭がボロボロになりやすいので補強をするのだ。

 

これで取り合えずはサーフエギングに耐えられるエギになる訳だが、最後にもう一工夫。

 

ダイソーで買ってきたドライバセットに、同じくダイソーで購入した直径2.5のドリルをセットしグリグリとシンカーに穴を空けたものを何個か用意しておく。

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素材が鉛なので、手でグリグリすれば簡単に穴を空けられる

 

サーフはポイントによりシャローを攻める事もあるので、シャロータイプとまではいかないが少しでも沈下スピードを落とすものを作る為だ。

 

エギボンバー3.5号のシンカーの厚みは5mm程。

鉛の比重は11.36(g/cm3)

 

これに直径2.5(r=1.25)の穴を空けると・・・

1.25(r)×1.25(r)×3.14(π)×5(板厚)×11.36(比重)×1/1000=0.279g

 

要するに、穴1個で約0.3g軽量化が可能となる。

 

この穴を何個かエギに空けて、少しずつ沈下速度を調整している。

エギのバランスが心配なら、取り合えずは元々エギのシンカーに空いている穴の近くから攻めれば大きくバランスが崩れる事は少ない。

 

フォールで頭を下げたければ、シンカーの後方(カンナ側)から穴を空けていき、ケツを軽くしていく。

 

逆に水平フォールに近づけたい場合は、シンカーの前方(頭側)から穴を空けていく。

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デフレ戦隊、ボンバーズ

 

 

デフレエギとは言え、ここまでいじくっていると愛着が湧いて来て、ロストした時に悲しくなるのがデメリットだ。

 

今年の春も、俺はボンバーズと共に浜に立つ。

 

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魚突き用の銛(小型~中型魚)を3000円以下で自作する【魚突き】

魚突き用の銛は、釣具店やホームセンターで売っている竹ヤスに始まり、土佐銛、パラライザー、チョッキ銛等、何種類かある。

(水中銃は日本では殆どの地域で禁止されている)

 

竹ヤスはよゐこの濱口が使ってるアレだ。

手軽に手に入るが、射程が短くアイナメカサゴなんかの底物がメインの獲物となる。

(射程が短いハンデを補う為、濱口は夜に電灯潜りをやっていた)

注)電灯潜りとは、水中ライトを持って夜の海に潜り、寝ている魚を突く漁法の事

 

竹ヤス以外の銛は総じて高価であり、おいそれと買えるようなものでもない。

また、それぞれ長所、短所があり使いこなすには多少の熟練を要する。

 

そんな事もあり、俺は小型~中型魚用には3000円以下で自作した銛を使っている。

50cmクラスのクエやヒラメもこの銛で獲れているので、それなりに使える銛である。

 

チョッキ銛とパラライザーも持っているのだが、手軽さという点ではこの銛に負ける為、ちょっと遊びにいく時には大抵この銛を使うようになった。

 

簡単にできるので、作り方を紹介しておく。

 

材  料

①市販のヤス。ステンレス製で、先端が三又のもの・・・1000円くらい?

(四又以上は刺さり抵抗が強く、獲物の魚体を貫通させにくい。必ず三又以下で。なるべく銛先が長い物を選ぶ)

②スキーのストック。リサイクルショップで買うべし。・・・500円くらい?

③筋トレ用の黒ゴム。・・・1000円くらい?

④タコ糸。百均で買う。・・・100円

⑤布ガムテープ。百均で買う。・・・100円

⑥金属用糸ノコ。百均で買う。・・・100円

⑦金属ヤスリ。百均で買う。・・・100円

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完成イメージ

作 り 方

①市販のヤスの下部(ゴムのちょい上)を糸ノコでぶった切る。バリはヤスリで落とす。バリが残っているとヤスを発射した時に手を切る事があるので注意。

 

②スキーのストックの先端を糸ノコで落とす。バケット(先端の傘みたいなやつ)の少し上を切るイメージ。

 

③スキーのストックの下部(グリップの下)を糸ノコで落とす。

 

④切断したストックの先端のテーパー部に布ガムテープを巻く。この部分を①で切ったヤスの下部にねじ込んで継ぐので、実際に嵌めながら良く固定できるよう巻き数は調整する。

 

⑤切断したストックの下部に、筋トレ用のゴムを添え、タコ糸できつくグルグル巻きにする。筋トレ用のゴムの長さは銛の全長に合わせて調整してください。

(ゴムの固定は、タップでネジ切り+アイボルトで固定しても安価に出来るがやや面倒くさいので俺はタコ糸で固定している。)

 

これで出来上がり。

 

イメージは、パワーアップした竹ヤスといったところ。

射程は倍以上になる為、竹ヤスでは寄り切れなかった魚が獲れるようになる。

 

なお

・銛が使える地域は各都道府県の漁業調整規則で定められている。事前に必ず確認し、ルールを守った魚突きを行う事

・銛が使える地域でも、密漁と間違われ各地の漁業者に怒られたりする事がある。こういう時に、漁業調整規則を盾にとるのは逆効果だ。さっさと文句を言われない所に移動する事をおススメする。

・魚突きは危険なレジャーだ。少しでも怖いと思ったら即撤収。

・この銛によって生じたいかなる損害に対しても、俺は責任を負えない。

 

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ヒットすると「喰った!」というのに何となく違和感を感じる【与太話】

最近はSNSを介して、釣り仲間と出会う事が増えた。

 

そんな仲間の中で、特に釣りを最近始めたばかりの奴らに多い気がするのだが、魚がヒットすると

「喰った!」

と言うのである。

 

これにちょっと違和感を感じる事がある。

 

俺や俺の周りは、昔からルアーだろうが餌釣りだろうが海でも川でも、ヒットすると

「キタ!(来た)」

と言う。

 

「喰った!」

がなぜ急に勢力を広げているのか、色々と考えてみると、どうもYoutubeに端を発しているような気がしてならない。

 

Youtubeを観ていると、良く「喰った!」と叫んでいる。

 

初心者はああいうのを見て、こういうもんだと思い込むのではないだろうか。

 

例えば、ルアーを曳いていて、魚がチェイスしてきた。

喰いつきそうだが、中々喰わない。興味を持ちながらも警戒しているのだ。

速度を落とすと見切られそうだ。

 

ルアーは刻一刻と足元に近づいて来ており、魚を掛けられるタイムリミットが迫っている。

思い切って、リールを早く巻いてルアーを曳くスピードを速める。魚もそれに合わせてスピードを上げた所で、フッと一瞬、巻くのを止めてポーズを入れる。

 

その瞬間、今がチャンスとばかりに魚がルアーに喰らいつく。

えっへん、どうだ、俺の作戦勝ちだ・・・・

 

こういうシチュエーションなら、

「喰った!」

もまあ理解できなくはない。

 

だが、例えばサビキ釣りやぶっこみ釣りでまで

「喰った!」

と言うのにはどうも違和感があるのである。

 

ま、掛け声は自由なのでどうでも良い事なんだけど。

 

昔、バス釣り村田基氏は、ヒットの瞬間に「フィーッシュ!!!」と叫んでいた。

 

例えば、これからアメリカで日本の和竿の渓流釣りが流行ったとして、同じような事を叫ぶ奴が出てくるのだろうか。

 

「さかなー!」

「うおー(魚)!」

「ギョギョギョ~!(魚魚魚)」

か。

 

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安くて簡単なアナゴ釣りを友人に教える【海釣り】

20代で就職したての頃、地元の友人から

「釣りを始めてみたい」

と相談を受けた。

 

話を聞いてみると、あまり金は掛けたくないとの事。

更に、サビキみたいな忙しい釣りでは無く、ある程度大物が狙える釣りが良いらしい。

・・・何とも都合の良い話だが、素人なんてそんなもんだろう。

 

そんな友人のデビュー戦に俺が選んだのは、夜釣りのアナゴ釣りだった。

 

竿は何でも良い、リールも適当で良いがナイロンの4号か5号を巻いてきてくれと俺は友人に伝え、夜中の12時に俺の実家に集合。

 

仕掛けは軽めのジェット天秤に丸セイゴ針14号(ハリス付き)を結んだだけのシンプルなもの。

餌はサンマの塩締めで、夜釣りのアタリがとれるように鈴を竿先につける。

 

河口絡みのポイントに到着したら足元でも少し投げても構わないから、仕掛けを底まで沈めて後は待つだけ。

アナゴは嗅覚が鋭いので、とんでもない所に投げない限りは自分から餌を探し当てて釣れてくるもんなんだ。

 

果たして、10分程待つと竿先の鈴が震えだす。

 

十分に喰い込ませるまで待って、釣れてきたのは太さが俺の腕ほどあろうかという大アナゴだった。

友人も同じようにアナゴを釣り続け、クーラーの中がアナゴだらけでちょっと気持ち悪い事になったくらいで帰宅。

 

良い釣行となった。

 

こんな風に、テキトーな仕掛けで安上がりに、簡単に大物が狙えるのが夜のアナゴ釣り。

初心者向けに如何ですか??

トンボを叩き落としてブルーギルを釣る【池の釣り】

グランダー武蔵がアニメ放映され、バス釣りが人気を博していた小学生の頃、パチンコ屋の裏の野池でブラックバスが釣れるという話を聞いた。

 

俺は早速、釣り竿を担いで釣りに行った。

 

グランダー武蔵の人気があったと言っても、俺の仕掛けは餌釣りである。

 

俺は小学生ながらに、パンで小魚を釣って泳がせ釣りをすれば大きなバスが釣れるに違いないと考え、玉ウキにガン玉とハリスを付けた仕掛けに餌は食パンを1枚持って行った。

 

早速、釣り場について釣りを始めるが、その池の小魚たちには釣り針が大きすぎたようで、あっという間に餌だけついばまれ、一向に釣れない。

 

ただ小魚に餌をくれているだけの状況にしびれを切らした俺は、考えを巡らせていた。

 

俺はバイブルであった釣りの本で、様々な魚種の釣り方は一通り頭に入っていたので、バス釣りには昆虫を模したルアーがある事は知っていた。

これは逆に言えば、昆虫を餌にすればバスは釣れるという事である。

 

周りを見渡すと、トンボが何匹か飛び交っている。

俺は手頃な木の枝を拾うと、草に止まっているトンボを叩き落とし針に掛けた。

 

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投げてみるとトンボの浮力で仕掛けが沈まなかったが、水面に浮かんだ瀕死のトンボを見るや、ブルーギルが飛びついてきてあっという間に釣れてしまった。

 

ブルーギルを釣ったのは初めてだったが、鯛のような体系に、肉食魚らしい精悍な顔立ちは子供心にカッコよく思ったのを覚えている。

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出典:

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-sa-05.html

 

この釣法を数回繰り返し、俺は5匹程のギルを飼育しようと家に持ち帰った。

※当時は外来生物法なんてものは無い。

 

しかし、祖父から「こんな汚い魚を飼えるか」と叱られ、翌日には池に戻す事になった。

ブルーギル達には、俺の水槽で1泊してもらったが、俺は時が経つのも忘れて彼らの横顔を眺めていた。

 

その池は何年かして、周りをフェンスで覆われて釣りが出来なくなってしまった。

フェンスが破られた跡があったので、未だに釣りをしている不届者はいるのだろうが、俺はもうそこで竿を出す事は無い。

 

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